20141102-1

今日は北海道鍼灸師会の学術講演会に参加してきました!

冒頭、釧路時代にお世話になった山下太郎先生が学術功労賞ということで表彰されていました。おめでとうございます!

今回の学会のテーマは神経疾患と鍼灸。

午前中は北海道医師会副会長の藤原秀俊先生による「脳疾患の診断と治療」。
ふんだんなCT画像、MRI画像とともに脳疾患についてご講演いただきました。

脳卒中(脳梗塞や脳出血を含む)は現在日本人の死因の第4位。
以前は1位でしたから、劇的に低下しています。
その代わり急上昇してきたのが肺炎。
これは様々な病気の長患いがベースにあって、死に至る最終的な診断名が「肺炎」ということなのでしょう。

藤原先生曰く、「もう脳卒中では死なない」時代なのだそうです。
ただ、植物状態になることを許すならばという条件付きで、通常はそれは望まれないので過度な治療はそれ以降しないという選択をされるとのこと。

また、脳卒中はかなりの確率で予防できるとおっしゃっていたのが印象的でした。
基礎疾患としての高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動、そしてこれは生活習慣ですが喫煙。
それらを発症前に治療、改善することが第一選択です。

ちなみに高血圧は体重を5㎏減らすことで、ほとんどの方が下がるそうです。
…5㎏…。
けっこうな数字ですよね。。。(^^;
でもこれで脳に抱える爆弾をひとつ処理できると思えば…!

また、健康なうちから脳の検査(MRI、MRA)をしておくことが大切だということ。

30代なら一度検査すれば5年。
40代以降でも2~3年毎の検査で十分のようです。
(もちろんすでに異常所見がある方や高齢の方はさらに頻回の検査が必要です。)

また、午後からは森ノ宮医療大学教授の山下仁教授による「神経疾患と鍼灸」についての講義でした。

山下先生は物腰がやわらかく、難しい話をわかりやすく話して下さるので学生の頃からひそかにファンだったりする私です。(笑)
今日もそのご講演を楽しみにしていました。

日本では研究によって「○○の症状には××が有用である」と明らかにされている情報と受療状況が大きく乖離しているとのこと。
これは日本に特有の状況で、「ヘルス・リテラシー」すなわち健康情報リテラシーの低さを表しています。

欧米ではもっと患者がかしこく医療情報を読み解いていて、「この症状ならこれ」「この場合はこれ」といったように公にされている情報を元にしてセルフメンテナンスがされているとのこと。

鍼灸も20年前とは状況は大きく変わっていて、エビデンスレベルの高い情報がどんどん開示されていっています。
そのエビデンスレベルの高い研究として今回紹介されていたもののほとんどが、イギリスやドイツ、フランスといったヨーロッパ中心のものであるところに、日本の現状を感じざるを得ません。

ただ、自戒を込めて言いますが、鍼灸師自身がこういった世界的に十分通用するレベルの研究結果について十分把握できていないということも課題です。

私はこういった情報は、一本の鍼やひとひねりのお灸がもつ治療効果とはまた別の意味で、ひとつの「効果」を出す手段だと思っています。

患者さんに実際に治ったという経験を持っていただくことが重要なのは当然のことですが、そのとき自分のからだのなかで何が起こったのか、そしてそれがどれだけ汎用性があるものなのか。

それが理解できたときに初めてその方は鍼灸の効果を「理解」して下さるのではないでしょうか。

今後もここでは皆さんが必要なときに必要な情報が提供できるよう、そういった情報も載せていきたいと考えています。
少し堅苦しい記事になってしまうとは思いますが、どうぞお付き合いいただければ幸いです。

20141102-2写真は昼休みのひとコマ。

左からむかわ町の高田亮子先生、白石区の谷地一博先生、岩内の枝元直正先生、桑園の松山優先生。

いつもお世話になっています。^^