先週末は不妊鍼灸ネットワークの第1回公開講座に参加するために、京都へ行ってまいりました。
昨年旭川のナチュラリー針灸院の浜口先生にお願いして推薦してもらい、参加できることになってから早3カ月。
この日をとても楽しみにしていました。
写真は講座の翌日訪れた城南宮にて。
春の京都は椿が満開でした。
以下、印象的だった講義について、私的メモです。
講演1:木津正義先生(明生鍼灸院)「婦人科・不妊症の基礎講義」
木津先生はとてもわかりやすく、妊娠とは?そして不妊症とは?ということを講義していただきました。
この仕組みが理解できていなくては、鍼灸がなぜ、そしてどういった部分に作用して不妊症の治療に役立てるのかを理解できようはずがありません。
基礎的なお話の中にも、たくさんの示唆に富むとても実りの多いご講演でした。
子宮と卵巣の位置はパロスペシャル・・・。
(もちろんウォーズマンではなくてキン肉マンの形の方が、です。笑)
はい、もう忘れません!
講演2:秋森徹二先生(秋森指圧鍼灸院)「不妊症に対する基本治療」
秋森先生からは、不妊治療に対する各段階における実際の治療方法についてご講義いただきました。
印象的だったのは「不妊治療のリアリティ」について。
「不妊治療にはリアリティがない」
結婚されて6年間子宝に恵まれなかった秋森先生は、ずっと奥様を治療されていたそうですが、そのなかで実際奥様から言われた言葉だそうです。
不妊患者さんは、特段愁訴を持っていない方も多くいらっしゃいます。
健康で普通の生活は全く問題なく送ることができる。
ただ、「赤ちゃんがほしい」と望み、そしてそれが自然にはかなわず医療にかかったときに初めてそれは、「治療」の対象となり「不妊症」という症状が生まれるのです。
すなわち、不妊治療の結果は白か黒か。
そして患者さんからしてみれば、その結果にたどりつくまでの途中経過でご自身の生活の何が変わるわけでもないのです。
(もちろん、肩こりや腰痛、月経痛の改善等、副産物として様々な体の変化があらわれる方はたくさんいらっしゃいます。)
「万が一結果が出なくても、その困難を乗り越えられるだけの健康な体を残してあげなさい。」
そのように、秋森先生は奥様に言われたとのこと。
私はこの視点は、本当に、大切なことだと考えます。
不妊治療を看板にかかげる以上、100%の成功率であることはありません。
治療が奏功する方がいる一方で、結果が出ない方も必ず、いるのです。
そういった方々にこそ、その困難を乗り越えられるだけの心と体を残して差し上げること。
この視点を持たずしてこの領域に足を踏み入れることはできない。
そのようにさえ、思いました。
貴重な現場でのお話をそれこそこれ以上ないくらいの「リアリティ」を持ってお話し下さった秋森先生に、感謝します。
【つづく】