こんにちは!
すっかり木枯らしの舞う季節になってしまいましたが、皆さんいかがお過ごしですか?
30週目の健診で、どうやらお腹の中の人は女子らしいということがわかった熊坂です。
実はこの間まで逆子ちゃんだった彼女。
(なんとか先日無事戻ってくれました!…この話はまた後日。^^;)
なかなかお股の様子を見せてくれなかったのですが、頭位に戻ると同時にやっと性別を教えてくれました。
さて、今日は三陰交という、女性にとっては、そして妊婦さんにとってはとっても大切なツボのお話。
この三陰交というツボですが、鍼灸院に行ったことのある女性であれば、一度は聞いたことがあるでしょう。
東洋医学では、肝・心・脾・肺・腎という五つの臓器のパワーバランスによってその方の体質や体調を判断します。
なかでも生殖機能に深く関わるのは、肝・脾・腎の三つ。
実は三陰交というツボは、この三つの経絡(気の通り道のようなものです)が交差する位置にあるのです。
【肝】は主に「蔵血」そして身体の様々な「めぐり」をを司ると言われています。妊娠すると胎児に血液を送るため、血液の心拍出量は非妊娠時の1.3倍、最大で1.5倍にもなると言われていますから、【肝】の責任は重大です。
また、【脾】と言われてもピンとこないかもしれませんが現代医学に当てはめると消化器とお考えください。そして東洋医学では水分代謝もこの【脾】の働きが大きく関わると考えています。妊娠時は摂取する栄養の質が大切になりますし、便秘になったり下痢になったりむくんだり。消化器をめぐるトラブルは頻回に見受けられるようになります。
そして【腎】は発育と生殖を司るとされ、妊娠・出産に最も密接に関わる臓になります。ゲンキ(元気/源気)を蔵すると言われる「生命の源」の臓器です。
この三つの臓器につながる経絡が、すべて三陰交を経由するのです。
ということは、この一穴に施術することで、同時に三つの経絡にアプローチできるということですね。
これを裏付けるようなエビデンスもしっかり得られています。
妊娠中に三陰交に施灸した妊婦さんとしなかった妊婦さんでは、施灸した群の方が初産婦、経産婦ともに分娩所要時間が短く、出血量が少ない傾向にあり、しかも妊婦が最も恐れる(!?)会陰裂傷も施灸群の方が少ない傾向にあったというのです。(辻内敬子他:安全な分娩を目的とした三陰交施灸の効果,母性衛生,43⑴:148〜155,2002)
うーん、おそるべし三陰交。
そんなわけで私もせっせと自分の足に施灸しています。^^;
このように、古来からとても効果的なツボとして知られ、当院でも自宅での養生の際にお使いいただけるよう、ほとんどの方にその位置をお知らせしています。
…あ、肝心の場所をまだ書いていませんでしたね。
内くるぶしから脛骨(すねの骨)の内側に沿って、自分の指4本分上にいったところです。
さすり上げると凹みがあるので比較的わかりやすいと思います。
過去の記事に参考になりそうなものがあったので、リンクを貼っておきますね。
ただ、パワーが強いツボである分、使い方には少々コツがいることがあります。
(例えば当院では、妊娠間もないときなどには自宅での施灸は控えるようお伝えしています。)
正確な場所や使い方を知りたい方はお近くの鍼灸院でお確かめくださいね。^^