こんにちは!
江別・岩見沢エリアの自分をたいせつにする女性のための鍼灸院【はりきゅう・アロマ日々のあわ】院長の熊坂です。
先日無事16週を迎えられ、めでたく当院の不妊鍼灸治療を卒業されたTさんより症例報告のご許可をいただきましたのでご報告いたします。^^
ご来院時、初めてつけていらしたマタニティマークが行政からもらうものと違ってかわいい!
雑誌についてきた付録なんだそうです。^^
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35歳女性
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主訴:挙児希望
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出産歴なし
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基礎疾患:子宮内膜症(チョコレート嚢胞)、子宮ポリープ
鍼灸治療歴
X年Y月 鍼灸治療開始、以後週1回の鍼灸治療を継続
同年同月 左右チョコレート嚢胞吸引・アルコール固定
X年Y+2月(鍼灸初診より2ヵ月目) 採卵(2個。うち1個のみ初期胚で凍結)
X年Y+4月 初期胚移植→陽性判定
現病歴
X年Y-10月(鍼灸初診より10ヵ月前)神谷レディースクリニック受診
X年Y-9月 左チョコレート嚢胞吸引・アルコール固定
X年Y-8月~人工授精3回 陰性
X年Y-5月 左チョコレート嚢胞吸引・アルコール固定
X年Y-4月 採卵(初期胚1個、胚盤胞1個)
X年Y-2月 胚盤胞移植1回目 陰性
X年Y-1月 初期胚移植2回目 陰性
治療初期〜問診と検査数値による方針決定〜
Tさんはご職業柄(医療従事者でらっしゃいます)、数値もご自身でご理解されていてそのうえでご自身で何ができるのかを模索されていました。
初診で、それまでされてきた検査結果の数値とクリニックでの治療経過も詳細にご報告いただき、鍼灸治療を始めるうえでとても助かりました。
検査結果を拝見すると、AMHは早急な妊活が必要な数値。
ただ、基礎疾患がありインスリン抵抗性などもうかがえ、初診時はじっくり腰を据えた治療が必要だと思う旨お伝えしたことを覚えています。
基礎疾患がおありの場合はそちらをしっかり治療してから進んでいったほうが、遠回りに見えて近道だったりします。
治療では、まずは気うつ(気の滞り)・血瘀(血の滞り)を解消することを基本方針とし、師事している畑瀬理惠子先生ご指導のもと、月経周期療法に加え採卵時期および移植時期に必要な鍼灸治療を加えていきました。
治療中期〜自宅での養生による体質改善〜
また、Tさんはもともと活動的で、スポーツチームにも所属しており冬もウインタースポーツを楽しまれていました。
生活状況や身体所見から交感神経優位型とみられ、これまでも気うつや血瘀の症状は見られていたようですが、それは積極的に外に出て体を動かすことでコントロールされていたように見受けられました。
それがこのたびのコロナ禍により、体を動かしたり人と会う機会が激減。
そのことによるストレスがかなり募っているように見受けられたので、
①適度な運動
②ストレス発散
③そのときどきにあった施灸
④パートナーとの情報共有
などを実行していただきました。
月経周期療法では卵胞前期(月経期)、卵胞後期、排卵期、黄体期とそれぞれ細かく施灸部位が変わります。
Tさんはこちらの指示をしっかり実行してくださっていました。
治療終盤〜鍼灸治療後1回目の採卵、移植の結果妊娠判定陽性〜
治療中、黄体化未破裂卵胞のため採卵予定が延期になったりと気落ちしてしまう時期もありましたが、その分しっかりと子宮内膜症に対する鍼灸治療が出来ますよとお伝えし、次の周期で無事採卵。
移植時の体調はときどきあった入眠困難や中途覚醒の症状もなくなり、臨床で拝見していてもお体の状態はだいぶ整った印象でした。
ただ、このたび採れたふたつの卵は最終的に凍結できたのが初期胚の1個でしたので、移植前後もその先を見据えたお話を同時にさせていただいておりました。
(これが不妊治療のつらいところです。いまある卵ちゃんの生命力を信じたいのに、うまくいかなかった場合のタイムスケジュールも同時に組み立てていく必要があったりします。)
ですが、結果陽性!
…からのhCG爆上がりだったので経過を慎重にみていましたが、現在に至るまで順調な経過をたどっています。
Tさんは妊活にあたって「鍼灸をやってみてほんとうによかった」とおっしゃってくださいますが、この結果を導くことができたのはまぎれもなくご自身の心身にしっかりと向き合って努力されたTさんご本人です。
鍼灸はそのきっかけを作ることはできます。
ですが、身体を変化させることができるのはご本人だけなんです。
今後も出産、そしてその後の長い長い産後&子育てライフを見据えて、サポートさせていただけたらうれしいです。^^
次回は不妊鍼灸卒業にあたってTさんに少しお話をうかがいましたので、そちらのインタビューをお届けします。
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